認知症があっても穏やかに|グループホームで見つけた家族の安心
認知症があっても「その人らしく」暮らせる場所があります

介護に向き合うご家族にとって、
「この選択でよかったのだろうか」
そう悩む瞬間は、決して少なくありません。
今回ご紹介するのは、アルツハイマー型認知症を抱えながらも、グループホームで穏やかな日々を過ごされているMさん(87歳)と、そのご家族の物語です。
在宅介護を続ける日々と、ご家族の不安
認知症の進行とともに増えていった心配
Mさんは、ご主人と娘さんと一緒にご自宅で生活されていました。
在宅介護を続けながら、併設の小規模多機能型居宅介護も利用し、日常のサポートを受けていました。

しかし、認知症の進行とともに、
- 家を出てしまうことが増える
- 行き先が分からなくなる
- 警察に保護されることがあった
といった出来事が重なり、ご家族の不安は次第に大きくなっていきました。
忘れられない、安堵の瞬間
ある日、Mさんは偶然タクシーで自宅に戻られ、玄関先で娘さんと鉢合わせたそうです。
その時に見せた、ほっとした表情。
今でもご家族の心に深く残っています。
「安心して暮らせる場所で過ごしてほしい」という想い
家族の負担と向き合った末の決断
常に目を離せない生活。
「また外に出てしまうのでは」と気を張る毎日。
そんな日々が続く中で、ご家族は次第にこう感じるようになりました。

「安心できる環境で、穏やかに過ごしてほしい」
そして、令和4年11月。
Mさんはグループホームへの入居を決断されました。

「施設に入れてしまった」という後ろめたさ
入居当初の家族の想い
入居後、ご家族が抱えていたのは安堵だけではありません。

- 本当にこの選択で良かったのか
- 施設に預けてしまったのではないか
そんな後ろめたさを感じていたといいます。
Mさんが見せた、思いがけない変化
「お仕事に来たみたい」と生き生きした毎日
ところが、Mさんは入居後、思いがけない姿を見せてくれました。

- 台所仕事
- 洗濯物干し
- 掃除
「私にできるかしら?」
「次は何をしたらいいの?」
まるで“お仕事に来ている”かのように、意欲的に取り組まれていたのです。
周囲への思いやりも自然に
身体の不自由な他の入居者を気遣い、さりげなく手を差し伸べる姿。
その思いやりに、職員も驚かされるほどでした。
面会で見た、穏やかな笑顔
ご家族の不安が安心へ変わった瞬間
面会のたびに、ご家族が目にしたのは、
生き生きとした表情で過ごすMさんの姿でした。

娘さんはこう話されています。
「こんなに穏やかに過ごせるなんて…」
体調の小さな変化でも連絡が入り、日々の様子を丁寧に共有してもらえる環境。
今では、安心して日常を任せられると感じているそうです。

自由と安心が両立した暮らしへ
在宅介護との大きな違い
ご自宅では、
- 外出してしまわないか常に心配
- 所在確認のために手仕事をお願いする
そんな生活を続けてきました。

一方、グループホームでは、
- 安全が守られた環境
- 興味のままに行動できる自由
- 人との関わりの中で生まれる笑顔
Mさんの「好奇心」を大切にできる環境が整っています。

夫婦で過ごす、かけがえのない時間
ご主人も同じホームへ
最近では、長年連れ添ったご主人も高齢となり、一人暮らしが難しくなりました。
娘さんの強い希望もあり、ご主人も同じホームへ入居されることに。

「あとどれだけ一緒にいられるかわからないからこそ、寄り添って過ごしてほしい」
その願いが叶い、今は夫婦で穏やかな時間を重ねられています。
娘さんの言葉に込められた想い
娘さんは、こんな言葉を残されています。
「母の生活を支えていただき、本当にありがとうございます。
母が私のことを分からなくなっても、
周りの人が“安心できる存在”だと感じられていれば、
それだけで十分だと思えるようになりました。」

認知症があっても、その人らしい人生を

Mさんの姿は、私たちに大切なことを教えてくれます。
- 認知症があっても
- 役割を持ち
- 人と関わり
- 穏やかに暮らせる場所がある
ということ。
私たちはこれからも、
ご本人とご家族、どちらの不安にも寄り添いながら、
「安心できる住まい」とつなぐお手伝いを続けてまいります。
介護や住まい選びでお悩みの際は、どうぞお気軽にご相談ください。



