転倒予防×リスクチェック|転ばぬ先の豆知識

皆さまいかがお過ごしですか。今回は「転倒予防」についてお話します。「転倒」と聞くと、段差につまづいた、足を滑らせた、ふらついた等の原因で転ぶことを想像します。転倒によりケガがなければ良いですが、ひどい時には骨折など重傷になることもあります。

なぜ転倒が良くないか?ケガが無ければ良いことなのですが、それ以上に転倒により日々の活動量が減っていくことが大きな問題となります。「また転ぶかも」と外に出なくなったり、家の中でも動くことが減ることで、体の筋力の低下や、気持ちの落ち込みへと悪影響が及びます。そうならないためにも、転倒しないよう気を付けていきたいものですね。

目次

 転倒の原因

人はどうして転ぶのでしょうか?転倒には、主に3つの原因があると言われています。

①内的要因 

加齢による身体機能の低下

筋力低下、持続力の低下、感覚・平衡機能の低下、柔軟性の低下など

病気や疾患

認知症、パーキンソン病、心臓病、脳疾患の後遺症など様々な病気による

薬の副作用

睡眠薬・抗不安薬・降圧薬など副作用による眠気、ふらつきなど

②外的要因

物的要因

段差、滑りやすい床、敷物、履物、家具、電気器具コード類、暗い照明、不慣れな場所など

③行動要因

歩き方

スピードが速すぎる、足を高く上げない、足元を見ていないなど

注意の有無

周囲の状況を見ていない。集中力が低下しているなど

転倒を防ぐためには、これらの要因を考慮し、適切な対策をとることが必要です。
転倒しやすい状況を知ることから、日常生活でも意識できることで防ぐことができます。

転倒リスクのチェック方法

自身がどんな状況か、チェックしましょう!(日本理学療法士協会資料より)

1.転倒しやすい状態かどうかチェックしてみましょう

あてはまる項目の点数を合計します。

質問項目はいいいえ
過去1年間に転んだことがある5点0点
歩く速度が遅くなったと思う2点0点
杖を使っている2点0点
背中が丸くなってきた2点0点
毎日お薬を5種類以上飲んでいる2点0点

合計点が6点以上になると、転倒しやすい状態と考えられます!

2.椅子からの立ち上がりで脚の機能をチェックしてみましょう

椅子に座り、立ち上がり動作を5回繰り返します。
12秒以内で完了できれば、脚の機能が保たれています。

皆さんはいかがでしたか?転倒のリスクは高齢になるにつれて高くなりますが、若くても転倒することがあるように、年齢に関係なく起こります。特に、無理をしたとき、ぼんやりしているとき、考え事をしているとき、急いで何かをしているときなど、注意が薄れた時が危険です。
では、転倒は防げるのでしょうか?転倒は誰にでも起こるものですが、「転ばないように気を付けている」と転倒しにくいと言われています。私たちは、どんなことを気を付ければよいのでしょうか?それは、環境を整えることです。

家庭内の環境からみる転倒予防

以下の割合(%)は、実際に転倒の危険があった割合を示しています。(全国老人保健施設協会資料より)

  • 居室 73%
  • 階段 7.7%
  • 台所 3.1%
  • 浴室 2.7%
  • 庭 5%
  • 廊下 4.7%
  • トイレ 0.9%


家庭内では上記の場所で転倒の危険性が高く、その中でも「居室」での転倒が最も頻度が高い場所といわれています。

生活の中で「危険」なところはありませんか?

室内の段差は?

段差は1センチ~2センチ程度でもつまづくことがあります。

床の状態は?

滑りやすくないですか?特にお風呂場!また、絨毯にめくれや綻びは無いですか?目の粗い絨毯も引っ掛かりやすいです。

履物は?

サンダルやスリッパ、底幅の狭いものは不適です。その場に応じて安全な履物にしましょう。

敷物は?

滑りやすくないですか?小さな敷物でも滑ることがあります。

電気コードは?

コードが散らかっていませんか?コードに足が引っかかることがあります。

照明は?

暗くないですか?特に夜間、トイレや階段の照明は十分な明るさですか?

障害物となる物はありませんか?

固定されていない不安定な台、棚など、いざという時に触っても大丈夫ですか?
置いてある物自体につまづいたり、足の踏み場がなくバランスを崩すこともあります。

その他

杖先のゴムの劣化

固くなっていたり、ひび割れがある場合はすぐに交換しましょう。
杖を地面に突いたときにグリップ力がなく、滑りやすくなります。

滑り止めシートの活用

玄関先の敷物(マット)、浴室など滑りやすい物の下に敷くことができます。
100円ショップ等で販売、安価で購入できます。

このように転倒を防ぐためにできることとして、環境を整えることからはじめると良いかもしれません。
少しでも転倒のリスクを減らして、健康な毎日が過ごせるようにしましょう。

まとめ

手すりやトイレ・お風呂の改修で費用がかかる場合、介護保険の認定を受けられている方は、介護保険制度をつかって住宅改修や福祉用具の購入・レンタルなどが利用できます。
必要な際には、ご利用の各介護施設や、お近くの地域包括支援センター、またはご担当の介護支援専門員にご相談ください。皆さんと一緒に、転ばない暮らしをしましょう!

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